クリスマスプレゼント

一人暮らしの女性が、帰ると
「おかえり」
と玄関へ向かって声がかかる。
誰かいるのかと、居間へ向かうが誰もいない。

何かいい匂いがする。
台所へ向かうと、鍋が二つある。

今朝出掛ける時には、無かったものだ。
両親は既に亡くなっている。
兄弟もいない。鍵を渡せる友達もいない。

不審に思いながら、鍋の蓋をあけた。

中には里芋とイカの煮物。
もうひとつの鍋には、豚汁が入っている。

誰が作ったんだろう?
友達に連絡してみたが、知らないと言う。
警察を呼んだ方がいいとまで、言われた。

炊飯器の中には、ご飯まで炊けている。
お風呂も沸いている。

干してあった洗濯物も、綺麗に畳まれてソファーの上に置いてある。

テーブルの上には、買った覚えのないミカンが置いてある。

冷蔵庫には、煮魚をのせたお皿がある。
念のために、冷凍庫を開けると大量のアイスが入っていた。

警察に電話をかける。
家の中に、犯人がいるといけないので、外へ出て離れるようにと指示されて、鍵をかけて外へ出る。

しばらくして、警察官が来てくれた。
事情を話すと、鍵を借りて家の中へ入っていく。

戻ってきた警察官が、一緒に中へ入って確認して欲しいという。

ひとつひとつ、丁寧に説明する。

自分は一人暮らしで、両親は他界。兄弟もなく、友達にも知らないと言われたことなどを伝える。

警察官は、奥の部屋へ行くように促す。

ドアを開けると、

暗い部屋に何かの気配がある。
電気のスイッチを手探りで探して、つける。

!!

知らない女性が布団で寝ている。

そして、女性は声を掛けても起きない。

警察官が
「運転免許証か保険証って、持ってますか?」
と、尋ねてきた。

持っていた財布から、抜いて手渡す。
警察官は、どこかへ連絡している。

警察官がこちらを向いて
「わかりました。ハイ。」とこたえている。

「とりあえず、警察署で話をお聴きしますので。こちらの女性には、救急車を呼びました。」

家はパトカーと救急車が来たせいで、騒々しくなった。

今年こそは、にぎやかなクリスマスを過ごせますように。

そんな願いをきいたのは、どこの神様だったのだろうか?

よかったら、、、

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むんや

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「なんとでもなるさ」を合言葉に。 挑戦は続く。詳しいプロフィールはこちらから
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